DOTING 3 -煌く綺羅の夜-


場所は変わって、ここは蓮花の部屋。
由騎夜は、緋耶牙のもとから真っ直ぐ蓮花の部屋にとび、蓮花をベッドに寝かせ、布団をかけてやった。
そしておやすみ≠ニ囁いて一階の自室へと戻った。
戻る途中、気配からして鎧綺の部屋に稚林がいることがわかったが、それを気に留めることはなかった…。



次の日、由騎夜は久しぶりに起きるのが一番早かった。
食卓に座り、コーヒーを飲みながら本を読んでいると、階段をパタパタと下りてくる音がした。

「あれ?由騎夜さん、早いですね。お早うございます」
「おはよう、蓮花ちゃん」
「あ!もしかして、昨日…部屋まで運んでくれました?」
「うん、とんだだから、すぐだったけどね」

そう言って微笑む。

「ごめんなさい、傷…大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ。それより、朝食の仕度、手伝おうか?」
「あ、大丈夫です。じゃあ、用意してきますね」

そう言うと、蓮花は台所へと入っていった。
そこへ稚林も下りてきて、由騎夜と挨拶を交わしてから蓮花同様、台所へ入っていった。

「ふぅ――」

由騎夜は一息ついた。

昨日の緋耶牙の言葉を思い出すと、切なくなる。
もちろん、蓮花を抱きたいとは思う。男なのだから当たり前だ。だが――
そこまでの決心に至らないのはきっと、由騎夜が実のとこ、自分に自信を持てないでいるからだろう。
もちろん、傍から見る分にはどこにも自信を持てないような部分はない気がするが、本人に自信が持てないのなら他人が口を挟むものでもない。
由騎夜が一人悩んでいる間にも食事の用意はすすみ、鎧綺も上から下りてきた。
そして、四人で朝食を済ませ、由騎夜と鎧綺はそれぞれの職場へとむかった。


2010/01/25(past up unknown)


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