DOTING 7 -煌く綺羅の夜-


枝都を追いかけた朱璃は水場で、枝都を発見した。
枝都は由騎夜の血で濡れた手を半狂乱でごしごし洗っていた。

「ッおい!!!」

ビクッとその肩が跳ねる。
朱璃は思いっきり枝都を振り向かせ、振り向かせざまにビンタを見舞ってやった。
そして、水場の石に片足をのせ、襟を掴んで怒鳴りつけた。

「何やってんだよ!!逃げるくらいなら、最初ッからすんじゃねぇ!!もう、金輪際、由騎夜や鎧綺の周りにに手ぇ出すんじゃねぇぞ!!!」

…朱璃さん…、男になってますよ…おーい。

「出したら、どうなるか…わかってんだろうな??あ゛?あたしがただじゃ、済まさない!!」

どういうと、朱璃は勢いよく枝都に身体を放し、枝都はバシャンっと水の中へ落ちた。
自分はというと、踵を返し、ある場所に向かった…。
その二人のやり取りを見ていた村の女達は、絶対に朱璃には逆らわないでおこうと心に誓ったとか。



診療所では、処置を終えた由騎夜が包帯を巻いている最中だった。
大胆にも由騎夜は、処置をするのに服が邪魔だ、かといって下手に動かすと傷に障るからからと、はさみで服を切り脱いだのだった。
服の一着や二着、どうってことないと言って。
蓮花は、服を着ていると細い気のする由騎夜の―実は―しっかりした体躯に驚く…。
ましてや、好きな相手の裸となれば恥ずかしさは一層で、それを悟られないように包帯を巻くのを手伝うことは、
蓮花には簡単なことではなかった…。

(由騎夜さん…じゃなかった、由騎だった…広い胸……やだ、私何考えて…)

自分の考えに一層、赤面した蓮花に由騎夜から声がかかる。

「蓮花?明日から当分、診療所休みにするから代筆で、急患は宿屋に来てくれるように書いてもらえないかな」
「え、あ、うん」

言われて蓮花は机の上にある白紙にペンを走らせる。

「出来たよ、どこに貼る?」
「入り口の横、あ、外ね?」
「わかってるよ」

蓮花は笑ってそう言い、入り口の横に紙を貼ると、小袋が置いてあるのに気づいた。

「??」

手に取るとごめんなさい、もう二度と近づきません≠ニ書かれた紙とお菓子だった。

ふと、蓮花は微笑み、それを持って中へ入った。

「由騎、これ…」

と言って手紙と袋を渡す。由騎夜は左手で薬や包帯、処置道具をしまっている最中だった。

「ん?・・・ふーん、これで懲りてくれたいいな」
「うん」

蓮花の笑顔に由騎夜の顔もほころぶ。

「じゃ、帰ろうか…二人も待ってるだろうし」
「そうだね」

由騎夜は診療所に鍵をかけ、蓮花はさっきの袋を持ち右手を由騎夜の左手とつないで
鎧綺と稚林の待っている宿へと急いだ。

2010/01/25(past up unknown)


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