DOTING 8 -煌く綺羅の夜- 「な!どうしてお前、上半身 、裸なんだよ!」 「見てわかるだろ。ケガだよ」 「あ、包帯…また増えて。どうしたんですか?」 「枝都から蓮花を守っただけだ」 「「蓮花!?」」 鎧綺と稚林は由騎夜が蓮花を呼び捨てにしていることのほうが驚いた。 「れんちゃん…いったい、何があったの?」 稚林が疑問をぶつけるが… 「今日は…いろいろあったの」 と何故か嬉しそうに笑った。 「そっか、よかったね」 何があったかは、わからなくても蓮花が嬉しそうなので、きっとイイコトがあったんだ、と思う稚林だった。 「うんvvじゃあ、夕飯運ぼうか」 「そうだね」 蓮花と稚林が台所へと入っていくと、由騎夜が鎧綺に話しかけた。 「なあ・・・」 「あ?」 「ちょっと…話したいことあるんだけど、俺の部屋行かないか」 「なんだよ、改まって…ま、いいけどよ。稚林―。由騎夜の部屋にいるから呼びにきて―」 「わかったー」 「おら、行くぞ。で、何だ?弟?」 鎧綺はわざと弟と由騎夜を呼んだ…この二人の仲も少しずつ、良くなっていた。 由騎夜は椅子、鎧綺はベッドにそれぞれ腰掛け、向かい合わせに座っていた。 「で、何よ?話って」 「あぁ…俺さ、まだ姉さんいるときに…お前に『蓮花ちゃんが好きだ、可愛いくてしょうがないはずだ』って言われたよな」 「あぁ…言ったような気がするけど?」 「あの時…さ、本当は否定出来なかったんだ。でも…やっぱりな、お前に言われたのが腹立たしくて…。今はもちろん、愛おしくてしょうがないんだけどさ…」 「・・・何が言いたい」 「いや、あのな、…今までこの半年…蓮花を大事にしようと思って、抱くことなかったんだ」 「はっ!?まじか、それ…」 「あぁ…やっぱり…おかしいか?」 「うーん…けど、蓮花ちゃんだしなぁ…」 「俺もそう思ってたんだけど…そろそろいいか…とか思い始めてるんだ」 「うん、いいんじゃねぇ?稚林とさっき話してたんだけどよ、朱璃と三人でそういう話になって『私って魅力ないのかな』って言ってたって言ってたぞ」 「ほんとか?」 「あぁ、ほんとv」 「気持ち悪いから v とかつけるな…」 「わりぃ…けど、そろそろいいと思うぞ。お前の理性もそろそろ我慢辛いんじゃね?」 「いや。それはない。お前じゃないから」 「アハハ」 とそこへ、稚林と蓮花の声が聞こえた。 「「ご飯の用意出来たよー!!」」 二人は視線を見合わせて、軽く笑った。 「行くか」 「そうだな」 「由騎夜…」 「?」 「自信もてよ!」 鎧綺はわかっていたのだ、由騎夜が何を言いたかったのか。 「あぁ」 由騎夜は笑った。 夕食を食べ終え、片付けも終わり蓮花は由騎夜の部屋にいた。 由騎夜は珍しく前ボタンの白いシャツを着ていた。 半裸で帰ってきてすぐに羽織ったのだが、普段は青系の服しか着ない由騎夜の対し、 蓮花が新鮮だと言ったものだから着替える気にならなかったのだ。 蓮花は天紅と遊んでいる。由騎夜は読書をしていた。 と、由騎夜は何を思ったのか、突然クローゼットを漁り始めた。もちろん片腕で。 蓮花は不思議そうにその様子を見ている。 ごそ。がさ。ごん。 「痛っ。」 「クス、大丈夫?」 「あった!よし、蓮花、明日の夜晴れたら、星観に行こう!」 「え?星?」 「そう、ほら。望遠鏡あったの、忘れてたんだ」 「わあ!すごい…二人で行くの?」 「鎧綺たちも朱璃たちも一緒でいいよ。そうしたいんでしょ?」 「うん!楽しみvvじゃ、ちーちゃん達には先に今、言ってくるね!」 「あぁ、いってらっしゃい」 2010/01/25(past up unknown) ← → 煌綺羅 TOP |