Lighted Darkness −strange visitors− 「あぁ、痛い !リラ、じゃれろ 」 イゼルはロバートを指して言う。 水を飲んでいたリラは、嬉しそうにロバートにじゃれついた。 「うわっ!おいっ!リラ、やめろ !」 そんなロバートを横目に、イゼルはアマンダに向かって言った。 「・・・ラコステ・・・ってバー、わかるか?」 「ラコステ…?あぁ、あの気のイイおじ様のね、わかるけど?」 「そうか・・・」 「どうかしたの?」 「いや…何でもない…」 アマンダはロバートのように余計な詮索はしない。 「そろそろ、帰る。リラ、おいで 」 イゼルはそう言うと、リラと共に闇の中へと消えていった。 「へぇー、姉さんがいたんだ?」 所変わって、此処はゲイルの店。 カルロスはかなりの豪酒で強酒でもあった。 既にラコステに来てから四時間が過ぎているが、全く帰る気配がない。 サラは何だかんだ言って、カルロスと話をする仲になっていた。 「何で亡くなったんだ?」 「……わからない」 「ふ〜ん…」 クレアの話をして、少し声のトーンが下がったサラにカルロスも静かになる。 サラはおもむろにコーヒーを落とし出した。 「・・・飲むか?」 「ん?あ、コーヒーか…貰う」 そして、サラは一度店の奥へ入り、コーヒー用のカップを二つ持って出てきた。 「・・・ブラック?」 「あぁ、甘いもの嫌いなんだ」 それを聞き、サラはカップにコーヒーを煎れる。 カルロスの前にカップを置き、自分もコーヒーを口に運んだ。 ――そして午前3時を回った頃―― 「今日はそろそろ帰るよ、おやっさん、いくらだ?」 カルロスが唐突に、帰ると切り出した。 ゲイルが勘定をしている時、カルロスはサラの目の前に立ち 「今度、部屋に遊びに来ないか?」 こう告げて帰っていった。 サラは驚いて、ただ黙って後ろ姿を見ているだけだった。 20100215(20060616) writer 深飛 ← → LD TOP |