片思い シリーズ有麻+和幸



――これはまだ、有麻と和幸が付き合う少し前のお話。


ある日の放課後、有麻は親友の香とショッピングをしてから、カフェにきていた。

「ねぇ、香。先輩とは順調?」
「もちろん。昨日も寝る前に電話して、今度先輩のお家に遊びに行く約束したわよ」
「そっか…いいなぁ〜」
「有麻は、その憧れの“和くん”とはどうなの?」

有麻は香の言葉に、ふっと視線を泳がせた。
それに気づいた香がすかさず、疑問の表情を浮かべる。

「それがね、前に話したパーティがあったじゃない?」
「あー……うん」
「その時、会社の“同期”っていう女の人と仲良さ気に話しててさ―…やっぱり、高校生のお子さまな私より、大人の女の人の方が似合ってるな…って、思っちゃって。お兄ちゃんや、優貴さんはそんなことない、って言ってくれたけど。」
「………」
「何?」
「そんなことで暗い顔してたの?」
「そんなことじゃないよ!!重大なことよ!!」
「有麻〜、有麻だって今は制服着てるけど、私服なら充分、大人っぽいわよ?そんなシケた顔しないの」
「う″――……」

有麻は香の言葉に納得がいないようで、項垂れた。

「そうやって、あれこれ考えちゃうのも片思いの特権なんだから
 もっとプラス思考な考えしなきゃ。それに、有麻には笑顔が一番似合うわよ」

そう言って香は、有麻にウィンクしてみせた。

「そっか…そうだよね!なんだか、元気出てきた、ありがとう香!」
「いえいえ、ケーキ1個でいいわよ?」
「え―――っ!!」



 20100113 [20041129]

笑顔が似合う女の子って素敵だと思うんですね。
片思いのときって、色々考えて1人で暗くなったりしがちですけど、
笑顔でいたほうが相手にも好印象だと思うし、片思いも楽しくなるのかな、って思うんです。

Special thanks:+smile smile+
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