恋占い シリーズ咲智+修斗



その日の部活も終わり、みんなそれぞれの時間を過ごしている中。

「 哉子先輩!! 」

修斗は哉子に相談があると、強引に近所のファーストフード店に寄るように促した。
そして今、修斗に呼ばれた哉子はその勢いにギョッとしている。

「 な、なに?修斗 」
「 今月の俺の恋愛運てどうですか!? 」
「 おっ、修斗、好きな子でも出来たか? 」

哉子の彼であり、野球部主将の村田和磨が、ニヤリと笑ってからかうようにそう聞いた。
言われた修斗は照れくさそうに、それでもしっかり肯定の返事を返した。

「 でも修斗、またイキナリねー。今、何も占い道具ないんだけど 」
「 そんなぁ…これって既に失恋決定すかね? 」
「 なんだ?その引っ掛かるような言い方 」

和磨の言葉に哉子も、そうね、と言いたげに修斗を見た。

「 えっ…なんすか!?相手を言えと…? 」
「 それもいいわね 」
「 そうだな 」

学校帰りのファーストフード店。
相談があると先輩二人を連れ出したのは自分。
仕方なく修斗は、しぶしぶ誰かを口にした。

「 内緒ですよ?他の先輩方には特に… 」
「 あぁ、もちろん 」
「 大丈夫よ、子供でもあるまいし 」
「 …ち先輩です… 」
「「 えっ? 」」
「 咲智先輩です! 」
「「 えぇっ〜〜!? 」」

思わず出てしまった大きな声に店内にいた客が何事かと、三人を見る。
三人は慌てて頭を下げた。

「 でもまさか修斗が咲智をねぇ… 」

今度は哉子が修斗をニタニタした顔で見る。
逆に和磨は、難しい顔をして修斗を見ていた。
なにせ、咲智は丘西のマドンナである。その競争率は半端ではない。

「 ま、協力してあげるわ。意外と咲智には、年下が合うかもしれないしね 」
「 ほんとすか!? 」

修斗は本当に嬉しそうに身を乗り出してそう言った。

「 で、先輩。俺の恋愛運は…? 」
「 男がそんなものに頼ろうとしないの!自分の力でアピールして頑張りなさいよ! 」
「 そういわれても 」
「 相談相手なら、目の前に居るでしょ? 」
「 えっ…俺かよ!? 」
「 何よ、ダメなの? 」
「 いや、ダメってわけじゃないが… 」
  「 じゃあ、主将!よろしくお願いします! 」
「 しゃあないなぁ… 」

咲智との仲を協力するということは、その他大勢の男子生徒を敵に回すのかと思うと、和磨は気が重くなった気がした。



一方、その頃、咲智は。
パソコンに向かっていた。
画面に映っているのは、「恋占い」の文字。

「 あたし、何してるんだろ… 」

咲智は自分の行動に戸惑っていた。
彼に振られ、いろいろ考え込んでいた自分に声をかけてくれた後輩・修斗。
彼は優しいから、沈んでいた自分にも声をかけてくれたのだろう。
頭ではそう思っていても、でもどこかで、期待してしまっている自分がいた。
そうでなければ、「恋占い」なんて文字がパソコンの画面に映っているはずがなかった。

「 …年下くんなんて、今まで興味なかったんだけどなぁ 」

それでも、頭に浮かぶのは、修斗のその大きな笑顔ばかり。

「 本格的に…惚れちゃったかな… 」

そう呟いた自分に、咲智は思わず、苦笑した。



 20100113 [20051116]

本当は。あの花を使って「好ききらい、好ききらい」にしようかとも思ったんですが。
季節の花が思い浮かばずに断念(笑)
男の子って、占いとか気にするんですかね?どうなんだろう…
Special thanks:+smile smile+

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