君は鏡。僕の鏡。不安定な僕をこの世に映し出す、唯一つの鏡。-Lighted Darkness-



アイツを見た瞬間、見つけたと思った。
俺の中の、狂気が…いや、俺のスベテが悦びの悲鳴をあげた気がした。



フラッと立ち寄った花柳街で。

「…名前は?」
「…クレア」

その瞳に、魅入られた。

「クレアか…良い名前だな」
「アンタは?」

その声を、もっと聴きたくて。

「アシード、…アシード・シュナイダー」

ぶつかった視線、先に口を開いたのは俺。

「クレア、俺と一緒に来ないか?」

瞳の奥に見えた色が、よく知ってる色で。
気付いたら、そう口に出していた。
俺のスベテを、何もかもを分け与えたいと思った。

「……いいわ、アンタと一緒の方が楽しそうだから、ついていく」

その答えに俺は、確信した。
オッド・アイの奥に見えた色は、間違いなく、俺と同じ狂気の色だと。


"お前は鏡。俺の鏡。不安定な俺をこの世に映し出す、唯一つの鏡。"


そうなるだろうと。




20100121(20070123)
君は鏡。僕の鏡。不安定な僕をこの世に映し出す、唯一つの鏡。

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